6月10日、最高裁判所第一小法廷に上告趣意書を提出した中司宏・元枚方市長。
その中司氏が記者会見の場に選んだのは、司法記者クラブではなく、こじんまりとした会場の「自由報道協会」だった。
中司氏は枚方市の清掃工場建設工事をめぐる談合被告事件が「冤罪」であることをあらためて強調。主任弁護士の佐藤博史弁護士からは、同事件ではすでに当時の副市長に無罪判決が出ていることなども説明された。
「冤罪事件や検察の横暴について、僕自身もこうなるまでは関心がなかった。でも、こうなってみて、冤罪ってたくさんあるんだな、と思った」
中司氏はそう語る。
「同じ談合事件で無罪になった小堀さんとの違いは、調書を取られているか、いないかの差。検察は調書を取ろうとしていろいろ仕向けてくる。『自分に近い人間を逮捕するぞ』と揺さぶって、『これ以上、逮捕者を増やしたくない』という心理的プレッシャーをかける。『ここを切り抜けたら、きっと裁判官がわかってくれるだろう……』。そう思って調書に一回サインをしてしまったら、それが足かせになる」
中司氏は、取り調べ段階で検察官から非人間的な扱いをされたことも告白した。
「検事は無茶苦茶どなったり、私を傷めつけたりした。被疑者ノートは書いていたが、ICレコーダーなどでの録音も残っていないため決定的な証拠にはなっていない。だから裁判では検事が『そんなことは全然していません』と証言されてしまった」
唇を噛み、取り調べの全面可視化の必要性を訴える中司氏。
「裁判所が検察の現実の姿を見抜いてくれたら……」
中司氏の声が、小さな会見場に悲しく響いた。
……より詳しい会見の模様は有料メルマガ『そこそこ週刊・畠山理仁』でお伝えする予定。
なお、会見の模様はUstreamで中継し、アーカイブとして残してあります。冤罪事件、検察の実態、裁判所の実態に興味のある方はぜひ御覧ください。
代理人の質問から、調書改竄が明らかになった
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